U1W『RE』への投稿とU1W共有会を終えて

2023年1月24日

掲題のイベントに対し、本記事の書き出しのタイミングは、正直いまさらな感じではございますが、自身の為に書かなければならない故、恥を忍んで投稿させていただきます。

昨年12月開催、Unity1Week『RE』にNice Catching Up With Youというゲームを投稿しました。

ゲーム自体は、若干難しめの2Dプラットフォーマーであり、道中にちりばめられている未読メールを入手し、その返信メールに勇気づけられながらゴールを目指すゲームです。

クリアはやはり難しいので、何かの間違いでこの記事に出会ってしまった方はプレイしていただく必要はございません。完走した動画を下記にご用意させていただきます。

このゲームをもとにU1W共有会というイベントにも参加させていただき、大変有意義なゲーム制作活動を過ごすことができました。ただ、この共有会でほとんど語っていない、このゲームに対する思いというものがあり、これをここに残しておきたいと思います。

Nice Catching Up With Youというゲームの物語

さて、Nice Catching Up With Youというタイトル、お会いできてよかったとか、お話できてよかったとか、そういう話し相手に会えたことの感謝を伝える言葉です。

とはいっても単純に人に会って、感謝を伝えるという事が非常に難しい時があります。それはコロナのような環境であったり、物理的な距離の場合もあるし、その日の天気も影響するかもしれない。ただ、そういった説明しやすいものだけではなく、まだあったことがない人に会うというちょっとした恐怖、過去の裏切りや謝罪など言い出しづらいことを切り出さないといけないとき、お互い大人になって距離感がつかめなくなったりなど、人と会うことは実はとても難しいです。

このゲームを始めていただくと必要以上にトゲトゲがあります。ゲームの始まりから一切遠慮がないです。快適なゲームプレイにおいては徐々に難しくしていくことが大事ではあるのですが、今回はそれを選択することが私にはできませんでした。

人に会う事の難しさは遠慮がなく、思い立ったその時から自信を襲ってきます。私自身を思い起こせば、『自分は相手に嫌われていないだろうか』『話しかけても大丈夫なのだろうか』『実際にお会いできたとして、相手を思いやることができるだろうか』『失敗しないだろうか』そんなことが頭の中を支配する。なぜここまで足がすくむのだろう、ただ前に進むだけなのになぜそれができないのだろう。自分自身の情けなさと、自信に対する怒りでトゲトゲがどんどん増えていく。

ゲーム序盤は、あったら助かるけどなくても大丈夫という場所にメールを置いています。本当は簡単に乗り越えられることなのに、本当は誰かに会いたいのにそれができない、だから理屈上では必要ではない助けを誰かに求めてしまう。助けを求めたっていい。そして助けてあげたっていい。私は現実に助けを求めることができているだろうか。誰かを助けてあげられているだろうか。

これから会おうという人から助けを得られたら、それは素晴らしいことだと思います。コミュニケーションのツールは、私たちに勇気をくれるという側面もあると思います。ただ、助けを求める時、その相手が第三者の時もあるかと思います。

そこで得られた答えが自分を勇気づけてくれるものの時もあるでしょうが、自分の望んだ答えとはちょっと違う時があります。助けてもらった立場としてはわがままではありますが、そういったものを含めて折り合いを付けなければ前に進めないときが来るでしょう。ゲームの中盤には、必要ではあるけど意地悪な『動くプラットフォーム』があり、それには何か言いたげな顔がついています。もし、誰かに会うその理由が謝罪であったり話しづらいことだったりする場合、誰かの助けを何度も何度も咀嚼し前に進まなければならないのかもしれません。

このゲームについて、苦しみながらも前向きに進もうというメッセージのように見えるかもしれません。でも本当は、私自身が会いたくない人に会うという事にゲームジャムが始まる前に苦しんでいて、その時の気持ちをゲームアイデアとして表現したものがこのゲームの原型です。自分自身に折り合いをつけるためであり、あまり明るいゲームではありません。そのため、最後のボスはこちらを見つめる人間の顔です。この顔は私でありプレイヤー自身です。

返信メールで勇気づけられるというアイデアも本当はその人との思い出の品を踏みつけて前に進むゲームでした。でも、ゲームアイデアを何度も何度も頭の中で練り直し、疑似的にクリアを何度もしてついには、自分自身に折り合いをつけることができました。そして、本当に会いたい人たちに会えるようなゲームにしたい、そして同じような思いを描いている人を応援する決意をゲームにしたいという事で、全く同じルールでこのゲームを作成しました。

私はパーティーゲームを意識してゲームを作ることが多いです。隣に誰かがいてその人とのケンカの原因になったり、仲直りの理由になったりするようなゲームです。私そういうゲームに育てられたと思います。ゲームは一人でも遊べるものでありそこに大きな意味があるのは間違いありません。ただ、私が誰かに会うという事、ゲームにそれを求めてしまうことにつながりがあります。今回のゲームは私の日記のようなものです。誰かにクリアするまで遊んでほしいなんてとてもじゃないけど言えません。何かの間違いでこのゲームに出会ったときは、ご自身の都合でこのゲームを感じてもらえると嬉しいです。

Thank you for listening!!!!